好奇心に満ちた3歳児のイメージ豊かな日常行動を、表現に発展させていきます。
「3歳のためのピコルわーるど」は、心と身体を開放してリトミック活動を満喫する鍵盤導入のコースです。
自己肯定感を培う身体的音楽体験が、彩りある鍵盤演奏の確かな基礎となります。
また、音楽活動で得ることのできる達成感が、健やかな心と身体の発達を助けることにもなります。
3歳で知る音楽の喜びは母国語と同様に、生涯消えることはありません。
生きたリズムや音に反応して、音楽そのものを全身で楽しみます。聴いて、歌って、感じて、動いて、想像して、演奏して、描いてといった幅広い活動で音楽表現の力をつけていきます。
想像の天才である3歳児の特性を生かして、お友達と一緒に即興的にドラマを展開しながら、音楽を表現する喜びと感動を味わいます。
音楽のイメージを表現したグラフィック楽譜を見て楽しく演奏に導きます。
リトミック活動や、クリエイティヴドラマの活動を生かして、子ども一人ひとりのイメージ豊かな鍵盤演奏へと導いていきます。
3歳児は好奇心の旺盛な時期です。それ以前は何をするにも周囲の大人に大きく依存していましたが、この頃から少しずつ周りの人やモノとかかわり、“面白いもの探し”をしているような日々となります。
こだわりが強いのもこの時期の特徴です。人が持っているものが欲しくて我慢できなかったり、好き嫌いをハッキリ伝えたりするなど。幼児は、どのようにしたら他者と良い関係を築けるのか、試行錯誤の日々を過ごしているのです。これは自我の芽生えであり、成長の証でもあります。こういうとき、大人は寛容にかかわることが肝心です。幼児自身が“愛されているという実感”を持てるようにかかわりましょう。
幼児は絶え間なく動きます。幼児にとって、動きは言葉に代わる言葉なのです。動きは、幼児の心の様子を映し出しています。
「ピコルわーるど」では、仲間と共に音楽参加する機会を得て、(幼児の)意思やイメージを育みます。動きを言葉に換え、思いを音に託していくのです。そして、歌や動きのレパートリーを広げ、音楽の楽しさを味わい、仲間と一緒に過ごす喜びを味わいます。活動を通じて、幼児は語彙を獲得し、自己制御することも学んでいきます。
「ピコルわーるど」では、遊びのような雰囲気の中で展開されます。この雰囲気は、学習を継続していくために欠かせない要件となります。また、この温かな雰囲気の中でこそ、自分の持てる五感を駆使することができるのです。音や音楽の違いに気付き、他者と自分との違いにも気づく機会を得ます。そこではさまざまな葛藤にも巡り合うことでしょう。それをうまくやりくりできたとき、幼児は小さな成功体験を味わいます。大きな成功体験よりも小さな成功体験に溢れることが大切です。自信と勇気を味わうのです。
さあ、音楽と共に伸びやかな時間を過ごしてみましょう。そのレッスンの前には、トイレや睡眠など、体調を整えることも忘れないで。
国立音楽大学副学長神原 雅之